大理石の失った光沢を研磨で蘇らす
もうかれこれ大理石の研磨を始めて十数年経ちます。
同じ石種の大理石を磨くというのは何度もありますが、同じシチュエーションというのは一度もございません。
時には状態が比較的良い場合、時には全く艶が無い状態、時には傷が深く厳しい状態…
どんなシチュエーションでも大理石の蘇生は概ね研磨となります。
今回の大理石はペルリーノという石種の大理石。
薄いベージュ色でひび割れのような模様が特徴の堆積岩となります。
玄関のアプローチに使われ、施工前はほぼ無光沢状態。
住まれた時からこの様な状態で艶が無かったとの事でした。
そうなると、まだこの石のツルツルした光沢感のある姿をまだ見られてないってことですね。
どんな風に美しく変身するか期待を込められたかと思います。
ペルリーノはモース硬度3~4と、比較的柔らかい分野かと思われます。
それ故に傷も入りやすいので光沢も失いがちになります。
初見の診断で傷の深さをみて、かなり粗目の工程からスタートする事にしました。
傷が深く、粗目の研磨を行うという事は、それだけ工程数も増えると事となります。
傷消し⇒整え⇒磨きの工程を6~7工程の枠で仕上げていきます。
4工程目位から薄く光沢が出始めると、内心ほっとします。
残り2~3工程でグ~ンと光沢が上げていきます。
お客様の住まいで始めて伺えるペルリーノの光沢。
天井の照明も映り込み、とても綺麗な状態となりました。
お客様も大変ご満足な様子で嬉しく思いました。
基本的に2㎡程の広さで所要時間は3時間前後。
傷の状態、石のコンディションによっては時間も当然ながら変動します。
2㎡ほどの玄関でも大理石が光れば高級感もアップします。
せっかくの高級石ですもの。
綺麗にしてあげたいですね。