無垢のフローリングをメンテナンス
今回は無垢のフローリングをメンテナンスした記事になります。
住宅のフローリングの多くが一昔前までは合板フローリングでした。
合板フローリングとは複数の合板を接着剤で張り合わせた合板の表面に、天然木の薄板を張りつけたフローリング。
合板フローリングの歴史は数十年。
建材メーカーが開発したのが始まりです。
1980年代~2000年位まではフローリングのメイン素材として施工されていたのではないでしょうか?
時代は進化して、今はプリント加工されたオレフィンシートのフローリングシートや木目調に見せた塩ビシートが主流になりましたね。
では無垢のフローリングとは?
無垢は天然の木から切り出した1枚板で作られた自然木材となります。
注文住宅や無垢にこだわったデザイン会社さんなどから施工されたケースで、建売住宅などであまり見かけませんね。
当店と取引させて頂いた、とある業者さんは無垢を売りにしたデザイン会社さんだったのですが、引き渡しのクリーニング時は神経を使いました。
また、無垢の風合いがとても素晴らしく、、クリーニング中にでも無垢への憧れを抱いておりました。
但し、無垢の素材はとてもデリケートで、メンテナンス方法がとても難しい。
これは無垢の木に限らず天然石、天然繊維(ウール・シルク・コットン)、本革などもそうですが、天然物は全てデリケートで扱いが難しい物です。
特に「木」は奥が深い。
が故にとても興味深く神秘的な素材だと思っております。
どんな素材にも長所と短所がございます。
ほじくり返せば切りがないのですが、天然物はメンテナンス方法の幅が少パターンに限られます。
合板フローリングは樹脂ワックスやフロアコーティングで保護をする事が多いですが、無垢は樹脂ワックスはNGでございます。
無垢本来の風合いを損ね、木目もダメになっていきます。
樹脂ワックスの耐久性は使用頻度、歩行頻度にもよりますが耐久性は1年くらい。
徐々にワックスは黒ずんで行きビルドアップが進みます。
メンテナンスをする方法としては洗浄、若しくは剥離洗浄が必要となります。
当然水も多く使いますし、アルカリ洗剤を使用する場合もございます。
無垢はそれらを好みません。
アルカリ洗剤を垂らした場合、黒ずんだシミにもなります。
なので無垢は、より繊細なクリーンメンテナンスになります。
今回の素材はウォルナット。
状態は良く、クリーンメンテナンスをするに良好な状態でした。
限りなくドライクリーニングに近い、セミドライ工法。
キメ細かな泡を作り、水分を減らし、ほぼ泡のみで洗浄する「バブルウォッシュ工法」(自称…)
そして固く絞ったマイクロファイバークロスで拭き上げていきます。
クリーニング前に蓄積してたシミもありましたが軽度から中度な状況の場合、少し工夫をしてシミも消していきます。
(完全に消えない場合もございますので予めご理解ください。)
完全乾燥した後にオイルフィニッシュ。
植物性のオイルを使用します。
お客様がご在宅でのクリーンメンテナンスですので、短時間で歩行可能なオイルをチョイスしました。
塗布後は、ほのかな光沢と深みが増し、木の風合いが渋く仕上がりました。
施工前と施工後(上下)
お客様もとても満足された様子でした。
無垢の手入れが難しく後悔したとのお客様の声も少なからず過去いくつかございました。
しかし、それ以外では無垢はとても温もりもあり、上品且素敵な素材だと思っております。
天然が故に扱いが難しいのは仕方がない事で、それ以上にメリットの方が強いと思っております。
風合いを維持する為に、メンテナンスもしっかり心がけてあげましょう。
きっと長く愛せると思います。