玉石タイル床の浴室クリーニング
昭和40年代前期(1960年代後期)に建てられた戸建て。
その頃は現代のようなユニットバス(システムバス)は、一般家庭ではあまり仕様されていなかった。
お風呂がない家も多く、後から住まいのスペースを工事し石やタイルを仕様した在来工法の浴室が作られたりとか。
そう言えば、我が家も昔お風呂はなくて銭湯に通っていた。
昭和時代に産まれた方々は懐かしむかも知れない、玉石タイルの床。
大人になると、この玉石タイルは良いイメージが湧かない人も多いのではないでしょうか。
子供の頃は然程気にしていなかった玉石タイルも、大人になってみると汚れているイメージが強く。
年季の入った当時のタイルはクリーニングされなければ昭和時代からの水垢がカチカチに付着しております。
そんな古い水垢が長年蓄積され、見栄えも悪くなり「うっ!」と引くような状態に。
足指と踵で歩きながら足裏を付けたくない歩行になってしまいますね。
クリーニングを始めた頃は、稀にこの様な浴室をクリーニングした経験がありますが、最近は滅法減りました。
玉石に付着した汚れを分析し、どんなケミカルとどんな資材を使って除去するかを組み立てます。
「研磨やワイヤーブラシでしか落とせないでしょ!」なんて声も上がりましたが、「基本は柔よく剛を制す」のクリーニング法です。
当然、蓄積されたカルシウム汚れはすんなり除去は難しい。
何工程も繰り返し、徐々にカルシウム汚れを取り除いていきます。
畳1帖足らずの床を1時間程掛けて再生。
ご覧の通り、綺麗な玉石が姿を表しました。
グリーンの玉石がエメラルドの様にとても神秘的で美しい。
半世紀以上の時を経て、当時のタイルが蘇る。
お風呂が完成して家族みんなで喜んだあの頃、綺麗な石と感動したであろう当時の想い出。
そんな想像をしながらお引き渡しをさせて頂きました。
北欧のバスルームも玉石を使われている事が多いらしいですが、この時代はこの時代でとてもお洒落な素材を仕様されてたのかと思うと深イイ気持ちになりました。
素材を活かす、素材を復元するって大切ですね。
まだまだ、長く愛せるかと思います♪